顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

タンポポ…数キロ先まで飛ぶ綿毛

花期の長い外来種の繁殖もあり今は真冬以外は一年中眼にするタンポポ(蒲公英)ですが、やはり一斉に咲くのは春なので、この時期には咲き終わった花が綿毛になった群生が見られます。

いつもの自然公園の一画、黄色一面が白一面に変わっていました。

 

日本在来のニホンタンポポ(日本蒲公英)は、繁殖力の強いセイヨウタンポポ(西洋蒲公英)にだんだん駆逐されている状況でも、ここではまだ在来種も頑張って共存しています。

 

ところで、この両者の区別を花で見分けるのは難しいのですが、花の萼片部分の形で容易に区別できます。花の下部にある萼(総苞片)が反り返っているのがセイヨウタンポポで、反りかえらないのがニホンタンポポです。もっとも近頃はこの2種の交雑も多くなり、中間的な形態を示す個体も見られるようですが。

 

花の後の丸い綿毛、よく見ると繊細な刺繍のように整然と編まれた自然の造形に驚かされます。

 

放射状に広がった冠毛が空気をはらんで揚力を生み出してヘリコプターとなり、数mから数百m、気流に乗ればなんと10km以上の記録も存在するそうです。

 

ひとつの花にはタネを運ぶこのヘリコプターが在来種で約60~100機、セイヨウタンポポで100~200機ぐらいが飛び立つ準備をしています。このようにタネの多さと開花時期の長さが、セイヨウタンポポが在来種を駆逐する原因のひとつになっています。 

 

しかもヘリコプターを飛ばす時期になると、タンポポの花茎はぐんぐん伸びて20〜40cm位になって、風に乗って飛び立ちやすくします。

 

そういえば戦後このたんぽぽの根を乾燥させたものを、焙煎してコーヒーの代用品にしたと父に聞いたことがありました。ネットで調べたらありました、今でもノンカフェインの健康飲料として支持されているようでした。

 

さて花いっぱいの春です。綿毛の群生を見下ろして牡丹桜も咲いていました。

 

タンポポと同じキク科のオオジシバリ(大地縛)とムラサキサギゴケ(紫鷺苔)のお花畑が出現していました。

 

花期の短い藤の花は高所に咲いていることが多いので、間近で見られるのはこんな荒れた土地に限られます。

 

山菜の主役ゼンマイも大きくなってしまいました。すんなり伸びた緑色が女ゼンマイ、茶色のが胞子を飛ばして子孫を増やす男ゼンマイ、この辺では女ゼンマイだけを食用として採取しています。

山菜取りもめっきり足が遠のいてしまいましたが…。